
夜景のメッカ「鍋冠山」は、信仰の対象でした
稲佐山と並ぶ夜景の人気スポット「鍋冠山」。2016年にリニューアルされた展望台には、毎夜多くの観客が訪れ、えもいわれぬ美しい夜景に酔いしれます。この展望台から200メートル程降った中腹に「鍋冠山不動尊」と呼ばれる仏像群がひしめいていることは、ほとんど知られていません。グラバースカイロード経由なら徒歩15分で踏破できる鍋冠山。その途次でたたずむ「鍋冠山不動尊」は、展望台の喧騒とは別世界となる清涼な空間で、拝観者を優しく迎えます。
不動尊前にそびえる「南無金比羅大権現」と刻まれた岩壁。
さらに奥に向かうと、不動、大師、観音、涅槃像など50数体の仏像が建立されています。木漏れ日がさすなかで、柔和な表情の仏像を鑑賞すれば、日常の煩悩を忘却し心洗われます。
鍋冠山の由来:ときの将軍足利義教は、日蓮宗の僧「日親上人」に改宗を強く迫った。断固して拒否した上人に対し、頭に焼き鍋をすっぽり被せて拷問にかけたが、上人はそれでも改宗せず、教義を貫き通した。以来、日親上人は、冠鍋上人、すなわち冠鍋日親上人と称号されるようになった。そしてその上人の全国布教の折、鍋冠山ふもとにも訪れたと推測される。これが鍋冠山の名の由来である(※鍋冠山の由来については異説あり)。
参考文献
岩永 弘著、『歴史散歩 長崎東南の史跡』、88頁
鍋冠山不動尊への行き方
グラバースカイロード~鍋冠山不動尊&鍋冠山展望台の分岐店までは、コチラの記事で。

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目印となるお坊さんのイラスト。分岐路から100mほどで「鍋冠山不動尊」にたどり着けます。
住所:4 長崎県長崎市出雲2丁目17
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