祠に刻まれたタコ、カニ、エビ!?謎の迷宮「新田神社」!

 

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【今、解き明かされる迷宮の謎】

最初に、立証のための具体例をあげてみよう。

上五島町有川にある海童神社。鯨の顎骨を使用した鳥居白山神社のクジラに座した恵比寿像

(1)長崎県下の新上五島町有川と平戸市生月は、江戸時代より捕鯨の基地として栄えた地域だ。

そこには、

• クジラの顎骨をもちいた鳥居(有川・海童神社)

• 網にかかったクジラの上に座したエビス像(生月・白山神社)

の2例がある。ともにクジラの豊漁を神に祈っているのであろう。

上五島町有川の鯨供養塔最教寺の鯨供養塔(平戸市)

(2)長崎県は江戸時代から捕鯨業が盛んで、各地にクジラ供養塔が点在している。

これらの供養塔は、

• 神社仏閣の境内に建てられている

• 塔と隣り合わせで仏像・神像が配されている

ことが多い。

そして、これらの供養塔が建てられた時期は、捕鯨業が不振だった時期と重なっている[1]中園 成生 (著)、『くじら取りの系譜―概説日本捕鯨史』、長崎新聞社、2006年 。その意味するところは、捕獲したクジラの冥福を祈るとともに、捕獲量の回復をも神仏に祈願していることがうかがえる。(写真は上五島有川と平戸市最教寺の鯨供養塔)

(3) 五島列島福江島の富江町にある蛭子宮。

その鳥居の額にはかわいい魚が描かれている。富江は漁業の盛んな港町であり、豊漁や航海安全を祈願しているのであろう。

五島市富江町に鎮座する蛭子宮の鳥居の額に描かれた魚(福江)

結論

これら事例をもとに結論としたい。

つまるところ、新田神社の石祠にあしらわれた海産物の彫り物は、
  1. タコ、カニ、伊勢エビなどの海産物の豊漁を、神に祈願する
  2. 神社の創建時に不漁と重なって、漁獲量の回復を願った
  3. 今まで捕獲したタコなどの海産物の冥福を祈っている
という漁業にかんするご利益を神(新田大明神)に祈願して刻まれたのではないか。

新田神社が投げかける謎かけを楽しもう

上述した考察は、筆者の独断による個人的見解にすぎない。 またキリシタン関与説にしても、たいへん興味深い考察だとは思う。

皆さまも、新田神社が投げかける謎かけに挑まれてはいかがだろうか。あーでもない、こーでもないと考えるのは頭の体操になるし、何より楽しいです。実際に訪れ見物してみたら、精巧に彫られた鑑賞価値の高いものであることに感心しきりとなります。

この一帯は謎だらけのミステリーゾーンだ!

大籠の奇石、俵石俵石八幡神社

善長谷教会から城山に入ると、奇石「俵石・亀石」、「隠れキリシタンによって祀られた俵石八幡神社」とミステリースポットがてんこ盛りにあります。新田神社とあわせて、ミステリースポット巡りには好適地といえるしょう。

【要注意】

城山にある「俵石・亀石」、「俵石八幡神社」を訪れるには、事前に位置を把握しておき、登山靴などの装備が必要です。また雨天後の土が濡れた状態では、滑り落ちる危険がありますので、絶対に入山しないでください。

「俵石・亀石」「俵石八幡神社」への登山コースについては以下を参考にしてください。

【深堀城山の登山ガイド】~「善長谷教会から俵石・亀石、俵石城跡、(俵石)八幡神社」への行き方
長崎市南西部に位置する深堀の城山。その山中には、奇石「俵石・亀石」、深堀氏の居城「俵石城跡」、隠れキリシタンが祀っていた「(俵石)八幡神社」があります。出発地となる善長谷教会をはじめとする名所の数々を、城山の登山ルートともに解説します。

(大籠町) 新田神社 基本情報

所在地 長崎市大籠町1036番地
主祭神   新田義興公
創建年 不明
例大祭 11月3日
11月3日 拝殿前と本殿前の石灯籠に、慶応4年(1868年)の刻印有
車でのアクセス

駐車場有。JR長崎駅より約30分

深堀方面からの道路は、途中道が狭く場所があるので注意が必要

  

(大籠) 新田神社の詳細については、以下を参照のこと

「(大籠) 新田神社」 ~【神の名は。義将の人・新田義興】
その名は「新田義興」。南北朝の戦火のなかで忠義に殉じた若武者である。義興はあの「平賀源内」が原作した浄瑠璃の題材となった。このため、武士はもとより、庶民にも広く崇拝される神さまである。その義興を祀るのが長崎市南西部の大籠町に鎮座する「新田神社」。
   

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脚注・出典

↑ 1. 中園 成生 (著)、『くじら取りの系譜―概説日本捕鯨史』、長崎新聞社、2006年

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