「南山手レストハウス(旧清水氏住宅、南山手乙27番館)」 ~グラバー園の喧騒とは別世界のほっこり名所

南山手レストハウス(旧清水氏住宅、南山手乙27番館)南山手レストハウス(旧清水氏住宅、南山手乙27番館)南山手レストハウス(旧清水氏住宅)のバラ

サクッと魅力まとめ❢

時間ナシの人は、ここを赤丸チェック

幕末に創建された最古級の現存洋館。特徴は石造りの外壁。そしてテラスの列柱には、木と石とが併用されていること。

観光客への休憩所として、無料開放されている。館内には居住地時代の資料や古写真、映像作品が展示されており見学可能。

トイレ、自販有。鍋冠山公園まで徒歩ルートでは、同公園を含めここが最後の自販設置ポイント。【入園時間/9:00~17:00】

庭園前の小公園と裏門の2か所は、坂と港の町・長崎らしさ満載のビューポイント

本文

序章

南山手レストハウス(旧清水氏住宅、南山手乙27番館)グラバー園への省力ルート「グラバースカイロード」。その垂直エレベーター登り口から数十メートル先にポツンとたたずんでいる古洋館。

創建が幕末の1864年(元治元年)から1865年(慶応元年)と、長崎居留地の建築物としては最も古い部類にはいる。
垂直エレベーターの登り口から視界に入らないため、入園者の乏しいマイナー観光スポット。でもですね、ほっこり名所として魅力的なんです。このグラバーゆかりの古い洋館は。

歴史

建築主は不明ながら、グラバー商会の関係者と推測されている。最初にここで暮らしを営んだのはトーマス・B・グラバーの弟、「アレクサンダー・J・グラバー」[1]南山手レストハウス内展示の説明版

次の所有者は、若き炭鉱技師「ジョン・M・ストダート」。この若き英国人には、当館にまつわる次のような悲話が残されている。

グラバーに招聘されて以後は、九州各地に炭鉱を開設するなど辣腕をふるうストダート。しかし不幸にも上海で流行性感冒にかかってしまう。長崎に寄港したときは、既に瀕死の状態。しかし彼は仲間が制止するのも耳を貸さず、船を降りて祈念坂をひたすらのぼる。理由はただ一つ。館で彼の帰りを待つ妻のもとへ戻るためだけに。その翌日、彼は愛妻の腕のなかで神に召された。[2]古いさるくブック。表紙が欠損していて書名は不明

大浦天主堂の路地、祈念坂 その後、1899年(明治32)からは、所有者は清水氏などに移り変わる。

1990年10月に伝統的建造物として指定をうける。その2年後に、長崎市が土地・家屋を購入し公有化される。翌年から3年間にわたって保存修理工事をおこない、1995年を改修を終えた[3] 参考 長崎市│長崎市南山手レストハウス

祈念坂  
2003年より観光客や長崎市民の憩いの場、あるいは居住地時代の資料を展示する場として一般無料開放され今にいたる。

建築上の特徴

外装

南山手レストハウス(旧清水氏住宅、南山手乙27番館)

外壁は、当時の西洋でもっとも高級な建築技法とされた石造り。石材は砂石系の天草石で赤みがかっている。

南山手レストハウス(旧清水氏住宅、南山手乙27番館)のテラス南山手レストハウス(旧清水氏住宅、南山手乙27番館)の石造りのテラスの柱

正面のテラスの柱は木製。東側のテラスでは石製と異なっているのが特徴。東側テラス列柱の擬宝珠(ぎぼし)が印象的。

南山手レストハウス(旧清水氏住宅、南山手乙27番館)屋根瓦と煙突。和洋折衷の建築要素が違和感なく取り入れている。同じ南山手の旧グラバー住宅や大浦天主堂と共通の特徴。

内装

南山手レストハウス(旧清水氏住宅、南山手乙27番館)

南山手レストハウス(旧清水氏住宅、南山手乙27番館)の内装南山手レストハウス(旧清水氏住宅、南山手乙27番館) の内装

館内では、居住地時代の内装と生活器具が復元されている。館内をまわれば、当時の暮らしをしのぶことができる。

必見point

  1. 「裏口(正式には正門)からの景観」
    大浦天主堂と大浦教会との2本の尖頭。その先に長崎港をパノラマ状に一望できます。
  2. 「庭園のバラ」
    可憐に咲く姿に、訪れた人のこころを和ませてくれます。特に5月と秋は必見。同じバラの名所・グラバー園とともに香りを楽しみながら巡ってください[4]やや距離はありますが、同じ居留地の洋館「東山手十二番館(旧居留地私学歴史資料館)」にもバラが植栽されています。

南山手レストハウス(旧清水氏住宅、南山手乙27番館) 裏門からの絶景

大浦展望公園からの風景
庭園前の小公園「大浦展望公園」からの東山手を望む景観

南山手レストハウス裏門からの長崎の夜景

南山手レストハウス(旧清水氏住宅、南山手乙27番館) に咲くバラ南山手レストハウス(旧清水氏住宅、南山手乙27番館)庭園のバラ

ほっこり名所として

南山手レストハウス(旧清水氏住宅、南山手乙27番館) の内装南山手レストハウス(旧清水氏住宅、南山手乙27番館)のテラス

隣接するグラバー園の喧騒とは対照的な、ゆるやかな時間がここでは流れています。景観やバラをのんびりと眺めるのもよし。建物や資料を見聞し、歴史ロマンに浸るのもそれもよし。
ここと祈念坂には、居住地時代の面影が色濃く漂っています。グラバー園・大浦天主堂の路地裏での粋な歴史探訪をお楽しみください。

基本情報

所在地長崎県長崎市南山手町7-5  地図上の位置
入園時間9:00~17:00
料金無料
定休日年末年始/12月29日~1月3日
創建1864年(元治元年)から1865年(慶応元年)と推定
設計・施工不明。建築主はグラバー商会かその関係者
建築技法石造り、平屋建て
備考伝統的建造物群保存地区内の伝統的建造物に指定

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脚注・出典   [ + ]

1. 南山手レストハウス内展示の説明版
2. 古いさるくブック。表紙が欠損していて書名は不明
3. 参考 長崎市│長崎市南山手レストハウス
4. やや距離はありますが、同じ居留地の洋館「東山手十二番館(旧居留地私学歴史資料館)」にもバラが植栽されています。

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