「馬込教会(沖ノ島教会)」~見どころ・礼拝ガイド(伊王島町) 

馬込教会(沖之島教会)長崎・伊王島の馬込教会(沖之島教会)ライトアップされた馬込教会(沖之島教会)
伊王島町の高台にそびえる白亜の大聖堂「馬込教会(マゴメキョウカイ)」。約90年もの歴史を刻む当教会は、隠れキリシタンの子孫となる島民と大工棟梁によって建立されました。
長崎県下でも有数の大聖堂。その建築上の特徴や、絶景ロケーション、歴史、そして夜間ライトアップ情報を解説します。

見どころ ~心震える魅力

建築上の特徴

馬込教会(沖之島教会)
長崎・伊王島の馬込教会(沖之島教会)長崎・伊王島の馬込教会(沖之島教会)

1931年(昭和6)年、当時の最新建築資材である鉄筋コンクリートを用いて[1]早坂久之助長崎教区司教は、関東大震災の経験から煉瓦造建築の耐震性の低さに着目。教会堂建築のトレンドであった煉瓦造から鉄筋コンクリート造への転換を強力に推進します。この指導によって、昭和4年から6年にかけて、長崎県下で、紐差、下神崎、三浦町、平戸、浜脇、そして馬込教会の6棟の鉄筋コンクリート製教会が誕生しました。、現教会堂が祝福の産声をあげます。 大小の尖塔と尖塔状のオブジェ群、外壁に張り出した補強用の柱など、中世ヨーロッパの城郭を思わせるゴシック様式が、装飾上の特徴です。
こうした複雑な意匠には、地元伊王島船津の大工棟梁 大和和吉と指導者 松岡孫四郎神父の創意工夫の跡が強くにじんでいます。国登録有形文化財。

 竣工 1931年(昭和6年)
 設計/施工 不詳 / 大和和吉
 外部主構造 鉄筋コンクリート造、平屋、桟瓦葺 
 面積 340㎡
 天井形式 リヴ・ヴォールト天井

地中海を彷彿させる絶景ロケーション

長崎・伊王島の馬込教会(沖之島教会)馬込教会(沖之島教会)教会堂横に展望所が設けられています。しかし、ベストビューは、教会奥から階段を上ったPOINTで、こちらが断然眺望が開けます。

ここから一望する白亜の大聖堂とオーシャンブルーとのコントラストは、地中海の名画風景かと見まちがうほどの美しさ[2]このビューポイントは、教会で通りがかったシスターに教えていただきました。また、冒頭の別のポイントからの写真は、他日に撮影していると「ここから撮りなさい」と敷地の所有者から招かれて、シャッターを切りました(通常は私有地なので立入できません)。ご両人に深く感謝を申し上げます。

隠れキリシタンが綴った教会建立への物語

馬込教会(沖之島教会)なぜ、こののどかな小島に、ヨーロッパをおもわせる立派な大聖堂があるのか?この謎を解く鍵は、江戸時代までは伊王島・沖ノ島の島民のほとんどが、隠れ(潜伏)キリシタン[3]俗にいう「隠れキリシタン」とは、専門的には、江戸期の「潜伏キリシタン」と明治以降の「カクレキリシタン」に分類されます。本稿では、観光サイトとしての性格上、読者に混乱をまねかないように「隠れキリシタン」で通しました。
「潜伏キリシタン」と「カクレキリシタン」が信仰したのは、正統的なキリスト教ではない。それは、江戸期の長い禁教時代に、キリスト教にくわえ仏教や神道の教義とが混淆した独自の土着宗教である、とだけここでは覚えておいてください。
だったこと由来します。明治にカトリックに復帰した島民たちは、赴任神父と手を取り合って、信仰のアイデンティティとなる荘厳な教会堂建立へと邁進。

馬込の最初の聖堂は、1871年(明治4年)創建の「椎山小聖堂」。次に、1892(明治25年)、マルマン神父によって、ゴシック様式による本格的なレンガ造り教会堂が建立されます。しかし、1927年・1930年と相次いだ台風によりこの貴重な教会は倒壊。

1931年(昭和6)年、耐台風のために鉄筋コンクリート製による現在の教会堂が再建されます。総工費は当時で3万5千円(現在なら1億円)。信徒のたゆまない労働奉仕と、松岡神父の呼びかけに応じた世界中からの善意の献金によって実現した教会堂なのです。

夜間ライトアップされる天主堂

ライトアップされた馬込教会(沖之島教会)

馬込教会では、毎夜夜10:00までライトアップされます。光のカーテンをおびた幻想的なそのたたずまいを目に焼き付けてください。クリスマスシーズンには、イルミネーションが施されドレスアップされます。

見学・礼拝ガイド

基本情報

所在地 〒851-1201  長崎県長崎市伊王島町2丁目617 地図上の位置
料金 無料(※献金箱に寄付をお願いします。)
駐車場 有/無料
拝観・開館時間 9:00~17:00
ミサや冠婚葬祭時には、拝観できない場合があります。

要チェックpoint!

  1. 教会を訪れる際は、以下を参考にして、見学マナーを必ずお守りください。
    教会見学時のマナー|長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
  2. 主日ミサ | 日曜日、午前8:00より約1時間
    ※この時間から約1時間の間では、入堂はご遠慮ください。

    信者以外でミサに参加希望の方は、カトリック長崎大司教区の説明を熟読ください。  ミサに参加したい方々へ カトリック長崎大司教区

  3. 問合せ
    1. 長崎巡礼センター:℡095-893-8763  長崎市尾上町1−88

交通アクセス

長崎市中心街から約18キロの離れた馬込教会への交通手段は、自動車が断然適しています。それ以外の手段では、バス、定期船となります。

自動車:アクセス方法と駐車場

見学者用の専用無料駐車場アリ。
香焼から教会までは、舗装された道幅の広い道路が続きます。また伊王島大橋を通過すれば、すぐに高台にそびえる教会の姿が視界に入ります。車でならアクセス良好です。

車でのアクセスを完全ガイドして記事はコチラ


バス

無料送迎バス:「i+Land nagasaki」ご利用の方は、JR長崎駅発の無料送迎バスに乗れます(予約制)。「i+Land nagasaki」から教会までは距離1キロ。詳細は公式サイト で。

路線バス(長崎バス):JR長崎駅より55分、運賃510円。時刻表
(2018年4月現在)

定期船

長崎~伊王島~高島航路船「鷹巢・俊寛」 
一日8便、移動所要時間約20分、料金大人670円。詳細は、公式ページ で。

参考文献

• 伊王島町教育委員会、『伊王島郷土誌』、伊王島町、1972年、472~474頁
• 長崎県教育委員会 (編)、『長崎県のカトリック教会』、長崎県教育委員会、1977年、151頁
• 鈴木 功、『西海の天主堂を訪ねて』、株式会社 心力舎、2003年、45~49頁
• 江口 源一、『カトリック馬込小教区100年のあゆみ』、カトリック馬込小教区100年のあゆみ実行委員会、1981年
• 川上 秀人 (解説), 三沢 博昭 (写真)、『大いなる遺産 長崎の教会―三沢博昭写真集』、智書房; 改訂版、2007年、235頁

本稿の執筆、すべての写真撮影:当管理人 
画像・文章の無断転載を固くお断りします(観賞価値・作品性を有する写真の引用は、著作権法によりできません。行えば著作権侵害で処罰されます
詳しくは「転載、引用について」をお読みください。

脚注・出典   [ + ]

1. 早坂久之助長崎教区司教は、関東大震災の経験から煉瓦造建築の耐震性の低さに着目。教会堂建築のトレンドであった煉瓦造から鉄筋コンクリート造への転換を強力に推進します。この指導によって、昭和4年から6年にかけて、長崎県下で、紐差、下神崎、三浦町、平戸、浜脇、そして馬込教会の6棟の鉄筋コンクリート製教会が誕生しました。
2. このビューポイントは、教会で通りがかったシスターに教えていただきました。また、冒頭の別のポイントからの写真は、他日に撮影していると「ここから撮りなさい」と敷地の所有者から招かれて、シャッターを切りました(通常は私有地なので立入できません)。ご両人に深く感謝を申し上げます。
3. 俗にいう「隠れキリシタン」とは、専門的には、江戸期の「潜伏キリシタン」と明治以降の「カクレキリシタン」に分類されます。本稿では、観光サイトとしての性格上、読者に混乱をまねかないように「隠れキリシタン」で通しました。
「潜伏キリシタン」と「カクレキリシタン」が信仰したのは、正統的なキリスト教ではない。それは、江戸期の長い禁教時代に、キリスト教にくわえ仏教や神道の教義とが混淆した独自の土着宗教である、とだけここでは覚えておいてください。

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