長崎 聖福寺【所要20分での名所巡り】(御朱印情報あり)

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、大雄宝殿(本殿)
万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、天王殿 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、墓地石段の上からの眺望 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、瓦塀

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、大雄宝殿(本殿)、坂本龍馬像

坂本龍馬ファン必訪の名刹

龍馬率いる海援隊と紀州藩との船が衝突した「いろは丸事件」。その談判の舞台となったのが、本稿のテーマ「長崎の聖福寺」です。

2020年11月、そのゆかりの地に、故山﨑和國氏制作の坂本龍馬像を建立。除幕式には、田上富久長崎市長他70名が出席し、新たな龍馬の聖地誕生を盛大に祝いました。

在崎華僑がキリスト教徒でない証しとして建立された「唐寺」(とうでら)の一山「聖福寺」は、崇福寺・興福寺・崇福寺と並ぶ「長崎四福寺」に数えられます。

大雄宝殿(本殿)・天王殿・鐘楼・山門が(国宝に次ぐ)国指定重要文化財、その他、梵鐘・惜字亭・石門が長崎市指定有形文化財と、境内中が文化財の宝庫

さらに、風情に富んだ情景が文人墨客に好まれ、さだまさし原作の映画『解夏』にも登場しました。

歴史と異国情緒に彩られた万寿山 聖福寺。さっそく境内を巡ってみましょう。

公式Facebook

2021年より「聖福寺の修復工事が始まります」。

工事期間は10年を予定しているので、今(2021年1月時点)が「工事現場でない聖福寺」を拝む最後のチャンスです(工事が始まるのは慶賀のいたりです)。

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基本情報

所在地長崎市玉園町3-77
拝観料無料
問合せ℡:095-823-0282

山号万寿山(まんじゅさん)
宗旨黄檗宗
開基鉄心道胖

【駐車場について】

山門前に2台分が確保されています(無料)。

 • 「(拝観者用)駐車場の位置」   

 • 「一方通行道路の進入路」

ルートマップです。車でお越しの際にご活用ください。

路面電車のアクセス (※距離450m、徒歩10分)

「御朱印」

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、御朱印

✔「御朱印」は、「大雄宝殿」(本堂)横の納経所でお願いできます。


それでは、境内を巡りましょう。


聖福寺 【境内巡りマップ】~写真付き

現地到着後にご活用ください。

【1】「山門」(重要文化財)

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、山門
万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、山門 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、山門、隠元禅師の書 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、山門

境の豪商に寄進により、元禄16年(1703)に建立された山門は、和風建築を基調とした八脚門形式。

山門に掲げられた『聖福禅寺』の扁額は、黄檗宗の開祖・隠元禅師筆との口伝が残っています。

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町) 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)

山門をくぐった後は、静観に包まれ、時が穏やかに流れる空間がつづきます。

「惜字亭」・「三界萬霊塔」・「市川団十郎の供養塔」

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、惜字亭 (市指定有形文化財) 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、鐘楼・聖福寺の梵鐘 (市指定有形文化財)、市川団十郎の供養塔

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、狛犬 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、狛犬

「惜字亭」:寺の不要書類を焼却するための六角形の炉。コンニャク煉瓦を使用した貴重な文化財です。

「三界萬霊塔」:亨保14年(1729)建立された、「欲界」「色界」「無色界」の三界で生きるすべての生き物の霊を永遠に祀る供養塔です。

「市川団十郎の供養塔」:天保6年(1835)に7代目市川海老蔵が来崎した際に建立したもの。7代目市川海老蔵・8代目市川團十郎の名が、供養塔側面に連名で刻まれています。

長崎四国第十四番霊場の前に並ぶ狛犬は、表情が愛らしいと評判です。

【2】「天王殿」(重要文化財)

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、天王殿

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、天王殿 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、天王殿 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、蝙蝠の石彫り

急勾配な石段の先に屹立する「天王殿」は、宝永2年(1705)に、棟梁藪本次兵衛以下堺の工匠の手により建立されました。

「山門の背面」と「大雄宝殿の前面」に通じる伽藍配置の中門としての機能を担っています。

※天王殿前の石塔に、中国では吉祥・福寿のシンボル、蝙蝠が刻まれているのでお見逃しなく。

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、天王殿、弥勒菩薩坐像 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、天王殿、韋駄天

天王殿表の「弥勒菩薩(布袋)」、裏の「韋駄天」が背中合わせに祀られ、大雄宝殿へ侵入する魔を払います。この天王殿の2神の配置は宇治の萬福寺と同じ形式です。

【3】「石門」(長崎市指定有形文化財)

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、石門 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、石門、コウモリ

木庵筆の「華蔵界」の文字が刻まれた石門は、明治19年(1886)に崇岳神宮寺から移築されたもの。

「蝙蝠をあしらった装飾」にも注目です。

【4】「坂本龍馬の像」

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、大雄宝殿(本殿)、坂本龍馬像

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、大雄宝殿(本殿)、坂本龍馬像

本人に最も酷似していると評価の高い「風頭公園の坂本龍馬之像」と同じ故山﨑和國氏作。

台座の資金をクラウドファンディングから募るなど、有志の尽力の末に、「龍馬ゆかりの地 聖福寺」への設置が実現しました。

【5】「鐘楼」(重要文化財)

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、鐘楼・聖福寺の梵鐘 (市指定有形文化財)
万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、鐘楼・聖福寺の梵鐘 (市指定有形文化財) 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、鐘楼・聖福寺の梵鐘 (市指定有形文化財)、鐘鼓楼正面の浮彫り彩色の桃 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)

長崎県下の現存鐘楼では最古のもので、遅くとも享保元年(1716)に竣工しています。鐘楼正面の浮彫り彩色の桃がひときわ目をひきます。

「梵鐘」:開祖の名をとって「鉄心の大鐘」と呼ばれた享保3年(1718)改鋳の大鐘は、長崎一の鐘の音を奏でていました。

江戸時代後期には異船襲来の際の早鐘にも使われた鉄心の大鐘。残念ながら現在は、除夜以外で轟音を轟かせることはありません。

✔「梵鐘」は長崎市指定有形文化財。

【6】「じゃがたらお春の石碑」

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、じゃがたらお春の石碑

昭和27年(1952)、上野初太郎が建立した歌碑。その裏には、「長崎の鶯は鳴く今もなおじゃがたら文のお春あわれと」と吉井勇作の短歌が刻まれています。

【7】「大雄宝殿」(重要文化財)

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、大雄宝殿(本殿)

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、大雄宝殿(本殿)、鬼瓦 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、大雄宝殿(本殿)、大雄宝殿正面半扉の浮彫り彩色の桃 桃をあしらった意匠、桃の紋様 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、大雄宝殿(本殿)、寳瓶(ほうびん)

唐人 陳朴純と日本女性西村氏との間に生まれた僧鉄心は、宇治の萬福寺で修業を積みます。

のちに聖福寺の開祖となる鉄心は、大雄宝殿(いわゆる本殿)に従来の黄檗宗様式ではなく、本山である萬福寺様式を取り入れ、白木を基調とした造りとしています。

ただし、黄檗様式が皆無ではなく、黄檗天井・半扉・屋根の寳瓶にその名残を残します。

現在の建物は、長崎の楠原与右衛門の工匠による正徳5年(1715)の改築です。

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、飯梆(はんぼう)(魚板・鱖魚けつぎょ)

黄檗宗寺院ではお馴染みの「飯梆(はんぼう)」。時を告げるために叩く精巧な魚の形をした鳴物です。

長崎では「崇福寺」、「興福寺」にも吊るされています。

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、大雄宝殿(本殿)

大雄宝殿内に祀られる本尊の釈迦。驚くことに、2011年のレントゲン調査で、金属製の五臓六腑が胎内にあることが分かっています。

【8】「茶筌塚」

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、茶筌塚

大雄宝殿そばに建てられた「茶筌塚」。お茶をたてる茶筅の供養塚で、昭和40年(1965)の作品です。

【9】「瓦塀」(かわらべい)

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、瓦塀

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、瓦塀 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、瓦塀 万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、瓦塀

明治中期、聖福寺の末寺3山が廃寺となる際に、その屋根瓦の一部を埋め込んだもの。

「鬼」や「桃」、「鯉」の瓦が巧妙に配置されており、古くから写真家の被写体として好まれてきました。

【10】「 ビュースポット」

万寿山 聖福寺(長崎市玉園町)、墓地石段の上からの眺望

瓦塀から石段を踏破したら、伽藍と長崎の街並みが一望できる景勝地です。多少の労苦に倍する感動を得られるので、足を伸ばすことをお勧めします。

「万寿山聖福寺 まとめ」

長崎四福寺で異彩を放つ名刹

(原爆で伽藍が焼失した福済寺を除き)ワインレッドに染まった黄檗宗寺院様式が色濃い崇福寺・興福寺に対し、本山である宇治の萬福寺様式を取り入れた聖福寺は和風建築を基調した佇まいを奏でます。

静寂と木漏れ日との完璧な調和がとれた伽藍は、あたかも和室に描かれた襖絵のごときです。

観光客の参拝数はさほど多くはありませんが、駐車場も用意されているので、他では見られないOnly oneな名刹に是非ご参拝ください。

参考文献・サイト:

• 長崎市役所編、『長崎市史 地誌編 地誌編仏寺部 下』、長崎市、1938年

• 長崎県教育委員会、『中国文化と長崎県』、長崎県文化団体協議会、1989年

• 長崎文献社、『旅する長崎学16 中国交流編Ⅵ唐船来航の道』、長崎文献社、2012年

• 現地の案内板

万寿山聖福寺 – ホーム | Facebook

長崎市│聖福寺4棟(大雄宝殿 天王殿 鐘楼 山門)

長崎県の文化財

本稿の執筆、すべての写真撮影:当管理人

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